一般家庭の水圧は、地域や建物条件によって差がありますが、標準的には 0.2MPa(2kg/cm²)程度 です。
しかし「シャワーの勢いが弱い」「食洗機や給湯器の性能を活かしきれない」といった声から、水圧をもう少し上げたい という要望をいただくことがあります。
今回、私は テラル製の加圧給水ポンプ THP5-V400S を使って、実際に水圧を 0.2MPaから0.3MPaへ調整 しました。
この記事では、その具体的な方法と、検討過程を体験談として紹介します。
使用環境と課題
私の会社内に設置された加圧給水ポンプがありました。使用者からの要望はシンプルで、「0.2MPaでは水圧が弱い。」「0.3MPa程度まで水圧を上げられないか?」というものでした。
はじめは、多段ポンプへの変更 を検討しました。多段ポンプは高圧化に適しており、水圧改善の確実な方法だからです。
しかし調べていくうちに、テラルの加圧給水ポンプ自体に圧力ブースト機能がある ことを知り、実際に調整してみることにしました。
テラル THP5-V400S の特徴

テラルの THP5-V400S は、家庭用や小規模施設向けに採用されることが多い加圧給水ポンプです。このポンプの特徴は以下の通りです。
- 単相100V仕様、400Wクラスのモーター
- コンパクトで静音性が高い
- 制御ボックス内に「圧力調整ボリューム」を搭載
- 過負荷保護やドライ運転防止機能あり
- 受水槽一体型
つまり、ユーザーが希望する「もう少し水圧を上げたい」という要望に応えられるポテンシャルを持っているのです。
実際に行った水圧調整の手順
(1)安全確認
まず、電源プラグを抜いてから制御ボックスを開け、安全を確保しました。
(2)制御ボックス内の確認
内部には、圧力調整用の小さなボリュームダイヤル が設けられています。
通常は工場出荷時に 0.2MPa 前後になるよう設定されています。


(3)調整作業
このボリュームを少しずつ回して調整。
最大値付近まで回すと、0.3MPa まで水圧が上昇 しました。


(4)効果の確認
調整後に水道メーター側で水圧を計測したところ、確かに 0.3MPa を記録。
実際にシャワーを使ってみると、明らかに水勢が強くなった と使用者からも好評でした。
ポンプ交換せずに済んだメリット
今回の調整で感じたメリットは以下の通りです:
- コスト削減:多段ポンプに交換せずに済んだ
- 作業時間が短い:調整だけなら30分程度
- 既存機器を有効活用:設置済みのポンプをそのまま使える
一方で、注意点もあります。
- 水圧を上げすぎると配管や機器に負担がかかる
- 製品仕様を超える設定は推奨されない
まとめ テラルの加圧給水ポンプは「隠れた調整機能」が魅力
今回の事例では、テラル THP5-V400S の制御ボックス内ボリュームを最大にすることで、水圧を 0.2MPa → 0.3MPa に引き上げ、使用者の要望に応えることができました。
はじめはポンプ交換を検討しましたが、結果として 既存設備を活かした改善 が可能だったのは大きな収穫です。
もしご家庭や施設で「水圧が弱い」と感じる場合、ポンプの種類を調べてみて、こうした調整機能があるか確認してみるのも一つの方法です。
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