熱電対の種類と特徴|R型・K型・T型を徹底比較

エネルギー管理士

温度測定の現場で広く使われている「熱電対」。その中でも代表的なR型・K型・T型について、「どれを選べばいいの?」「どう使い分けるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

この記事では、それぞれの熱電対の特性と用途を比較しながら解説していきます。選定のヒントとしてぜひ参考にしてください。

熱電対とは?

熱電対は、異なる金属を接合して温度差によって発生する熱起電力(ゼーベック効果)を利用し、温度を測定するセンサーです。

堅牢で応答性が高く、広い温度範囲に対応できることから、工業用途を中心に幅広く利用されています。

代表的な熱電対の比較

ここでは代表的なR型・K型・T型の特徴を比較してみましょう。

◆ R型熱電対

• 構成:白金(Pt)‐白金13%ロジウム(Pt-13%Rh)

• 測定範囲:0℃〜約1700℃

• 特長:

 ・非常に高温まで対応可能

 ・安定性が高く、経年劣化にも強い

 ・測定精度が高いため、精密制御が求められる現場に最適

 ・価格は高め

主な用途:高温の工業炉、ガラス・セラミック製造、研究開発設備など

◆ K型熱電対

• 構成:ニッケルクロム(NiCr)‐ニッケルアルミ(NiAl)

• 測定範囲:-200℃〜約1100℃

• 特長:

 ・広範囲な温度をカバー

 ・酸化雰囲気に強く、腐食にも比較的強い

 ・価格と性能のバランスが良く、最も汎用性が高い

 ・応答性も良好で、メンテナンス性も高い

主な用途:各種工業プロセス、加熱炉、排ガス測定、機械設備の温度管理など

◆ T型熱電対

• 構成:銅(Cu)‐コンスタンタン(Cu-Ni)

• 測定範囲:-200℃〜約350℃

• 特長:

 ・低温域での精度が高い

 ・酸化環境には弱いが、安定した温度特性

 ・冷却装置や低温プロセスに向いている

主な用途:冷凍・冷蔵設備、低温試験装置、バイオ・医療分野など

選定のポイント

コスト重視ならK型、高温重視ならR型、低温精度が必要ならT型、という考え方が基本になります。

まとめ

熱電対は、使用環境や求める精度、温度範囲に応じて適切に選ぶことが重要です。

今回紹介したR型・K型・T型はいずれも特長がはっきりしており、それぞれの強みを活かせば、より効率的で信頼性の高い温度管理が実現できます。

現場のニーズに応じて、最適な熱電対を選びましょう。

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